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下沢議員から広範な主題につきましてお尋ねをちょうだいしました。順次お答えを申し上げます。
まず第1に、松本空港の将来に期待することは何かというお尋ねでございます。
私が知事に就任しましてから、たまたま日本航空が機材繰りの関係で松本空港の主要路線を廃止すると言ってまいりましたこと、そして、あげくの果ては日本航空が立ち行かなくなったのでやめると言ってきたと。二度にわたって松本空港発着路線がなくなるかもしれないという危機に際会したわけでございますが、そのたび、半世紀にわたる長い歴史を持つ、県民の貴重な財産でございます長野県唯一の空の玄関口、これを何とか維持したいという思いで、県会の皆様方のお力をちょうだいしながら、何とか今日に至ったわけであります。
とりわけてFDAの鈴木与平社長の英断によりまして札幌線と福岡線ともどもいち早くジェット化ができたということは本当にありがたいことだと思っておりますし、地元の盛り上がり、また経済団体の御協力、これもあずかって力があったと思っております。
何より大事なことは、私は、しかし、自分たちの空港、これは自分たちで守って育てていくという認識を改めて県民の皆さんに持っていただきたいと思いますし、そういうお一人お一人の取り組みが積み重なってこそ、将来、横田空域が返還されることが前提でありますけれども、羽田との多分30分程度のつながり、それから沖縄路線でありますとか、こういった新たな路線、そしてアジアのハブ空港として定着しつつあります仁川空港への路線開設というような新しい展開が期待できるのではないか、こんなふうに思っておりますし、それがひいては長野県の観光振興、そして経済発展の拠点になればありがたいなと、こんなふうに思うところであります。
二つ目に、生物多様性の確保につきましてお尋ねをちょうだいしました。
この地球上では、多様な生き物がさまざまな関係でつながり合い、私たちの命と暮らしを支えているということを私どもは認識しなければならないと思っております。国際生物多様性年でありまして、また我が国でCOP10が開催されるこの機会に、県民もこの主題につきまして理解と関心を深めていただければありがたいな、このように念ずるところでございます。
県の具体的な取り組みといたしましては、この4月に、環境審議会に生物多様性長野県戦略(仮称)の策定につきまして諮問をいたしまして、専門の委員会を設置して議論を始めていただいたところであります。地域戦略は、地理的に大変広い地域をカバーし、しかも標高差が大変大きいこの長野県の特性に応じた生物多様性の保全や持続可能な利活用に関する目標、施策等を定めるものでありまして、今後の県の取り組みのよりどころになるべきものだと思っております。
また、県民の貴重な財産でございます希少な野生動植物の保護にも取り組んでおりまして、既に保護回復事業計画がございますライチョウやオオルリシジミなど7種類の動植物に加えまして、今年度は県内各地で淡い紅色の花を咲かせるササユリについての計画を策定する予定と承知しております。
そのほか、信州環境フェアを初めさまざまな機会に県の取り組みをPRするなど、生物多様性への県民の御理解を深めてまいりたいと思っております。
3番目に、企業の今後の海外展開についてお尋ねをちょうだいしました。
私も、考えてみますと、通産省に勤務いたしましたころ初めは輸出促進ということが私の主題でございましたが、ある時期から、日本にとりましては余りにも輸出が出過ぎちゃったものですから輸入をふやして何とか各国との調整を図っていかなきゃいけないというような局面にも際会しまして、非常に複雑な心境を覚えながらいろいろ仕事に携わったことを思い出しながらでございますが、改めて今我々が考えなければいけないのは、2008年秋からの金融危機以来低迷してきている我が国経済、さらには長野県経済、ここへ来てようやく持ち直しを見ているわけでありますが、それでも円がまた少し高くなってきたというようなことがございまして、何とかここで成長著しいアジア圏の牽引力、こういうものにあやかりたい、そういうものに何とかかかわっていきたいという時節になっていると思われます。政府の新成長戦略にも同じようにアジア圏とのかかわり合いを示されているところでございます。
具体的には、アジア圏諸国におきましては、経済成長に伴いまして中間所得者層が大きく伸びておりまして、かつてのように低廉で豊富な労働力を求めるばかりではなくて、マーケットとしてのアジアへの展開、これがポイントになってきているのではないかと思っております。そういう意味では、まず、海外市場が持つさまざまな特性、またその背景にあります文化ですとか習慣を知って、その上で、現地顧客のニーズを的確に把握し、ビジネスチャンスを見出していく、こういった心がけが大切なのではないかと思います。
今回、御審議もお願いしております予算に含まれますアジア圏市場スタートアップ支援事業というのは、こうした観点からアジア市場への展開を図る県内企業を支援しようというものでございまして、長野県の企業がその特色でございます高度で信頼性のある技術力を生かしながらアジアの市場でビジネスを展開すること、それが長野県のものづくり産業の飛躍につながる、こういうことになっていけばいいな、こんなふうに思っているところでございます。
続いて、名古屋、大阪両事務所についてお尋ねをちょうだいいたしました。
平成14年度末で一たん廃止になりました両事務所を、平成19年度に、企業誘致、観光振興、あるいは農産物の販路拡大等に取り組ませるために再設置をしたわけでございますが、企業誘致の分野では、誘致対象企業との近接性を活用することによりまして、現在の厳しい経済情勢の中でありましても関与した企業立地が3年間で10社になるなど、毎年着実な実績を上げております。
観光面では、メディアや旅行業者への積極的な情報提供、観光展の開催等によりまして県内への誘客を推進しておりまして、名古屋、大阪両事務所への来訪者も年々増加しております。
農業の面では、農業生産団体と連携しまして、大阪、名古屋、京都といった大都市における県産農産物の展示販売によりますPRや、従来進出しにくかったロットの小さな特産品等の新たな販路拡大も図られてきていると見ております。
これらの成果を見ましても、県の情報収集、情報発信という面でこうした県外事務所の機能は大変重要であると認識しております。とりわけて、東北信はどちらかというと東京、関東地域に対する志向が強いわけでありますが、中南信地域におきましては明らかに中京地区あるいは近畿圏、こういったところへの関心が深いわけでございまして、そういう意味では、県全体の産業基盤強化、こういう観点からは両事務所の持つ役割というのは非常に重要だと私は思っております。
続いて、今後の農産物マーケティングの展開についてお尋ねをちょうだいしました。
農産物マーケティング室の設置やその取り組みを御評価いただいたということは大変光栄に思います。昨年、トップセールスのために台湾を訪問いたしましたが、観光と一体となった農産物輸出へのパイプを一層深くすることへの手ごたえを感じましたことに加えまして、ちょうど残留農薬問題が台湾につきましては大きな課題でございました。それが日本の農産物を台湾に輸出します一つの障害になっているというような問題がございましたので、国会議長に相当する立法院長とお目にかかりましたり、それから農林水産省に相当します行政院の農業委員会のナンバーツーと会うことができまして、ちょうど南部で災害がありましたために委員長とは会えなかったんでありますが、この残留農薬問題につきまして強く要請をいたした次第でございまして、本来国が行います対外交渉の一つのお手伝いはできたんではないか、そんなふうに思っております。
行政における農産物のマーケティングは、まず県産農産物の認知度を高める取り組みが重要でございます。これまで、信州サーモン、リンゴ3兄弟、信州プレミアム牛肉等の県オリジナル品種のブランド力の向上、あるいは観光や食品産業との連携強化と地域食材の活用、さわやかですとか健康長寿といった長野県のイメージを生かしたPRなどに努めてまいったところでございまして、今後とも、県産農産物の海外を含めたマーケティングは、農政、商工労働、観光など関係部局が企業や関係団体と一体となって継続的に推進することが重要だと思っております。
とりわけて、こういった営みというのは続けなければいけないわけでありまして、私は、加工した農産物とも言えるんでございますけれども、例えば県産ワインですとか日本酒ですとか、こういうものにつきまして田中前知事のときにつくられましたいわゆる原産地呼称管理制度、これは本当にすばらしい制度だと思っておりまして、これを何とか継続してそして実のあるものにしていきたい、とりわけて力を入れてまいったつもりでございます。
考えてみますと、ナポレオンがAOCをつくりましたのが約200年前でございますから、それが今のフランスの定評あるワインの品質というものをつくっている。こういうものをいっときのものにしてはいけないんでありまして、守るべき制度というものはきちんと維持していかなければいけない、こんなふうな心がけで取り組んでまいったことを付言させていただきます。
中信地域の高規格な道路網の現状、将来像についてお尋ねをちょうだいいたしました。
高規格幹線道路につきましては、上信越自動車道、中部横断自動車道、三遠南信自動車道、中部縦貫自動車道の整備促進に取り組んで、それぞれ進展を見た次第でありますが、中信地域の高規格な道路網は、松本を中心としまして、長野自動車道と松本糸魚川連絡道路が南北の軸、中部縦貫自動車道が東西の軸としてネットワークが形成されると、このように基本的には認識しております。
この中の中部縦貫自動車道の関係では、懸案となっておりました奈川渡ダム付近の道路整備につきましては、一昨年11月、当時の金子国土交通大臣から国直轄での整備を約束してもらったわけでありますが、本年度の事業着手が見送られて大変残念に思っております。しかし、引き続き調査は行われておりまして、来年度の事業着手に向けて強く働きかけをいたしているところでございます。
松本糸魚川連絡道路につきましては、一昨年10月、ルート案を公表いたしまして、現在調査を進めるなど整備に向けて動き出しております。早期の事業着手に向けて鋭意取り組んでまいりたいと思っております。
地域の産業、経済の発展、観光振興には何と申しましても道路ネットワークの構築が不可欠でありまして、国と連携して強力に整備を推進したいと存じます。
長野県短期大学についてお尋ねをちょうだいいたしました。
2月に設置いたしました長野県短期大学の将来構想に関する検討委員会では、これまで、長野県の高等教育において県が果たすべき役割でありますとか、今後の社会においてどのような人材を育成すべきか等について議論を重ねてきたところであります。
総じて、県立短大を4年制に移行すべきである、こういう意見が多いのでありますが、具体的にどのような分野の人材を育成するべきか、いかなる特色を打ち出すべきかなど、目指すべき大学像もなしに4年制化の判断をすることはできないと考えております。
このため、現在、その具体的な中身につきましての議論を進めていただいているところでございまして、いずれにしましても、現在の県短大は創立80年の歴史の中で1万3,000余名の人材を世に送り出し、長野県の高等教育の振興に十分な貢献をしてきた、そういう組織であると考えておりますが、今後を見据えると、高等教育を取り巻く環境が大きく変化する中、県短大が将来に向けて県民や社会のニーズにこたえられるように新たな大学像を見出していくことが必要ではないか、このように考えているところであります。
最後に、高等教育機関を総括する部署をつくったらどうだという、昨年11月議会でもお尋ねいただいたことでありますが、私は余り考え方は変わっておりませんで、県立の高等教育機関は、それぞれ法律上の位置づけでありますとか設置目的が異なることに加えまして、例えば県の職業能力開発計画に基づいて県内産業に必要なものづくり人材を育成する工科短期大学校については商工労働部が管理運営するなど、県の施策との一貫性や高い専門性からそれぞれの部局が所管する現在の形が最も適当なのではないか、私はそう思っております。
なお、長野県短期大学の将来構想に関する検討委員会におきまして、県立の高等教育機関同士の連携、相互補完によりそれぞれ効率的な運営を図ってはどうか、こういう意見も出されているところでございまして、今後、県短大を4年制に移行する場合の大学像について具体的な議論を進める中で、議員御指摘のような各教育機関の実態に即した効果的な連携のあり方等についても検討をしていただかなければならない、こんなふうに思っているところであります。
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